森羅咆哮事前評価:ニュートラル編
総評
今回のパックはナテラの大樹をテーマとした自然カードが多く追加されました。
ニュートラルには6枚の自然シナジーの新カードが追加されており、それらは各クラスのテーマデッキで適宜使われることになりそうです。
新弾全体にも言えることですが、今回のニュートラルは低レアリティ含めてカードパワーが全体的に高いのが特徴といえます。
ニュートラルでも明確にハズレといえるのはスウィートディテクティブくらいなので、最近のパックの中ではかなり優秀な面々なんじゃないでしょうか。
また2枚のレジェンドがどちらも6コストのフォロワーというのも珍しいです。
どのクラスでも使えるコスト帯なので採用検討できるデッキが多く、かといって全てのデッキに入るわけではない良い調整がなされていると思います。少なくともランプドラゴンにしか入らないということはなさそうです。
ゴールドの覇食帝の調理も従来の3コスト除去の基準を踏み越えたカードであり、荒野の案内人は自然デッキの基本カードとして、どちらも多くのデッキで見られるでしょう。
総じて今回のニュートラルは多くのデッキで採用検討される優秀なカードが揃っているといえます。どのリーダーを使うにしても採用枠として検討できるようにしたいところです。
レジェンドレア
シヴァ
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…C
2pick評価…A
6ターン目までにプレイしたうえで14ターン目までゲームが続けば6回復12点ダメージに3回の全体バフが付いてきます。トータルの仕事量としては非常に高いカードパワーを誇ります。
ただ当然14ターン目まで続く試合ばかりではなく、全体バフもターン終了時かつ体力が伸びないため返しに盤面処理されて無に帰すことが多いでしょう。
シヴァ本体もスタッツは良好とはいえ盤面に干渉できる能力を持ち合わせていないので、明確に採用理由を挙げられるデッキで使いたいところです。
この手のニュートラルフォロワーの常套手段としてランプドラゴンに採用するというのはやはり真っ先に思いつくところでしょう。
大型守護である点を活かしやすく、pp加速から5ターン目までに早出ししたり、6ターン目に除去のppを浮かせてプレイすることも容易です。
ただ次環境の有力デッキである自然ランプドラゴンには同じニュートラルの母なる君も採用されそうなので、同コストのこのカードも採用するかは意見が分かれそうです。
回復効果を活かしてレ・フィーエをローテ落ちで失うエイラビショップでの採用は考えられます。
長期戦に持ち込みやすいデッキであり、マナカーブ通りにプレイしたターンから回復によるバフ効果が働くため、同じ6コスト守護の枠として採用が考えられそうです。
リーダーへダメージが入ることでエイラを引けない時のビートダウンによる勝ち筋が広がる点も勝率に影響するでしょう。
それ以外でも長期戦を見込める相性の良いデッキでは採用を検討していいカードパワーは持っています。強者の威風や覇食帝の調理に落とされない体力6の守護であるため、豪風のリノセウスデッキに若干耐性がある点は嬉しいでしょう。
2pickではサイズの大きい守護としてもそこそこ強く、ロングゲームにもなりやすいため活躍が見込めます。このカードで12点削って圧し潰す試合も発生するでしょう。
母なる君
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…C
2pick評価…S
自然シナジーのレジェンドカードです。本体性能は6/0/6必殺突進という疑似確定除去といえる能力で、ナテラの大樹の破壊枚数が1回以上なら2回攻撃、3回以上なら場から離れたあとに進化後の4/6守護として復活する効果を持ちます。
結構カードテキストが複雑です。進化後には必殺が付かない点、消滅や変身等で場からいなくなっても復活する点、復活後の母なる君は2回攻撃を持たない点は勘違いしやすいと思います。
単体でもメカニカルゾンビのように確定除去として動きながら、攻撃力5までのフォロワーは一方的に処理することができます。
さらに2回攻撃が付けば進化無しで2面処理できるようになるので構築での有用性が一気に増します。復活効果まで付けばかなりのテンポスイングになりそうです。
ナテラの大樹を早い段階から割っていくデッキで、6ターン目に復活効果まで乗せることができればかなりオーバーパワーなフォロワーとして運用ができそうです。
ナテラの大樹を序盤から破壊していくインセンティブが強いクラスとしては、ヴァイディのいるドラゴン、ルベルやコープスドッグのいるネクロ、ライリーのカウントを進めたいウィッチが挙げられます。
特にpp加速ができる上に旋風のプテラノドンなどで破壊回数を稼げるドラゴンでは早い段階でのプレイが見込めるため強力でしょう。
自然デッキであれば汎用的に使いやすく、相性の良いデッキではさらに輝くため構築でもよく見ることになるカードだと考えています。
確定除去が強い2pickでは素の突進必殺でも強力ですし、条件を満たすことができれば不利状況を捲れるパワーカードになるでしょう。
ゴールドレア
荒野の案内人
ローテーション評価…S
アンリミテッド評価…A
2pick評価…A
2/2/2の標準スタッツで、ナテラの大樹を直接場に出すことができます。自然シナジーにおけるメカゴブリン枠です。
発表された他の多くの大樹関連のクラスカードでも、大樹をプレイする1コスト自体は真面目に払う必要のあるカードがほとんどであるため、実質0コストで一枚目の大樹を場に出せるという効果は独自性の高いものになっています。
自然デッキにおける2ターン目最良の動きになってくれるでしょう。(オクトリスが元気な環境になりそうですね…)
ただ場に大樹が出ているなら2/2/2バニラになってしまうので、汎用カードに見えてその実使い勝手はクラスによって結構異なるのではないかと考えています。
対空射撃で大樹をバウンスすることによって中盤以降の荒野の案内人の効果を有効活用できるエルフにおいては使いやすそうです。ネクロも大樹が出た後でもトートの条件達成に貢献できるカードなので相性は良いです。
反面、ウィッチは大樹のバウンスこそ可能ですがラストワードではライリーのための大樹のプレイ回数を稼げないのでやや相性が悪く、その他のデッキでも基本的に中盤以降は使いづらいでしょう。
とはいえそれを加味しても序盤のテンポロス無しに大樹を場に出せる効果は強力で、多くの自然デッキであればとりあえず採用という枠になると考えています。
2pickではN枠で取れる優秀な効果持ちの2/2/2なので価値が高めです。pickできた自然シナジーの枚数が多いほど価値が上がるでしょう。
覇食帝の調理
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…A
2pick評価…A
クラスカードでもなかなか存在しない3コスト5点スペルです。
この時点でわりとオーバースペックなカードですが、EPを参照して1コスト2点スペルのカイザの激辛料理を加える効果がしれっと付いています。
エンジェルシュートなどによって確定除去の基準が4コストに下がったことで、3コスト4点除去は2コスト3点除去と4コスト確定除去に挟まれてかなり使われにくくなっていました。
最近の環境では操り人形が付いてくるパペットショックが重宝されていますが、純粋に3コスト4点のみの除去性能で環境に残っているカードはほぼありません。
覇食帝の調理はそれらより大きい5点ダメージを出せます。悪逆の公爵・ユリウスや霧氷のトリケラトプス、フェアリーブレイダー・アマツなど、体力5で盤面に残りやすいフォロワーはそれなりに多く、それらの処理に手間取るデッキであれば採用検討されそうです。
テトラがリペアモードによって5/6で盤面に残ると1枚で対処できないのは残念ですが、状況次第でカイザの激辛料理と併せて除去する選択肢がある点は嬉しいでしょう。
今後はクラスカードの3コスト除去も5点が標準になっていきそうですが、現状ではこのカードの専売特許であり、中型フォロワーに困るデッキで汎用的に採用検討されるでしょう。
2pickでは5コスト以上のフォロワーを倒せることもあるためかなりテンポの取りやすい除去です。激辛料理によってやや後攻有利が加速しそうなテキストですが、はたして…。
シルバーレア
美食の伝道者
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…C
2pick評価…A
5/4/4スタッツに3コスト相当の単体バフが付いており、なかなかのコストパフォーマンスです。
アクセラレートはないものの6コストのスカアハと同等の性能を有しており、スカアハが先攻カードとして機能できる2pickではそれ以上の活躍が期待できそうです。
基本的に構築では進化ターン以降の単体バフは使いにくいものの、美食の伝道者は従来のものよりもバフ効率が高いため先攻時のリターンが高くなっています。
4/4というテトラを上から取れる最低限のスタッツが確保されており、自然を絡めたアグロデッキにおける採用基準は満たしていそうです。
特に君臨する猛虎が追加されたことによって先攻4ターン目に3面展開しやすくなったロイヤル、アニエスやエンジェルラットなどの組み合わせやすい疾走カードが追加されたビショップでの採用は面白いかもしれません。
クラスカードの5コストとの枠争いに勝つ必要があるため条件は厳しめですが、前のめりなデッキでは検討できるカードだと思います。
2pickでは強カードのスカアハよりも1コスト軽いためさらに強力です。全クラスpickできることもあり、先攻押し切りを狙う上でのキーカードになることも少なくないでしょう。
エクストリームキャロット
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…C
2pick評価…S
人参がローテーションに帰ってきました。ナテラの大樹を盤面に置く必要がありますが、3コストのカイザを経由してプレイする必要がなくなったため前の人参よりも自然デッキでの使い勝手は上がっていそうです。
繰り返し使える2/2/2は強力なんですが、大樹ギミックを採用している時点で手札が尽きにくいことを考えると自然デッキでこのカードが本当に必要なのかという疑問はあります。
相性の良いデッキとしては自然ネクロが考えられ、ラストワードのおかげでトートのカウントを継続的に進められるため相性がいいです。
自然デッキで汎用的に採用されるカードにはならないと考えていますが、2コストフォロワーの選択肢の一つとして覚えておくといいでしょう。
2pickでは覇食帝・カイザの再来ということでさすがに強力です。無限のリソースを相手に押し付けていきましょう。
ブロンズレア
荒野の休息
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…B
2pick評価…C
2コストのリーダー回復に0コストのナテラの大樹がついてきて、実質2コスト1ドロー+αというカードです。
他の大樹生成カードと違い0コストのものを手札に加えられるため、大樹を出すたびに起動する能力を0コストで誘発できる点がこのカードの最大のメリットです。
特にネクログループ・ルベルとコープスドッグを擁している自然ネクロとの相性がいいでしょう。
また0コストのカードを手札に取っておけるため、このカードもエルフとの相性が良いです。単体でも盤面を広げずに2コストで2回分プレイ回数を稼ぐことができるので役に立つ場面は多いでしょう。
ウィッチであればスペルブーストを進めることもできますし、2点回復が付いているためプレイ時の隙をある程度軽減できる点も優秀です。
大樹生成カードの中でもデッキによっては必須級の働きが見込めるカードであり、幾つかの自然デッキでの採用が考えられそうです。
2pickではコンボ前提のカードなのでやや使いにくい場面が多そうです。うまくルベルなどがpickできれば価値が上がるでしょう。
ワンダーコック
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…B
2pick評価…B
3/1/2の本体に自然カード2枚のサーチ効果が付いています。
純心の歌い手の再来!強い!と言いたくなりますが、自然シナジー自体がドローに長けたシステムであり、ナテラの大樹を複数枚出したうえでこのカードのテンポロスを許容してまで追加で自然カードをサーチしたいかどうかという話になります。
自然ウィッチや自然ドラゴンのようなナテラの大樹をブン回せばおのずと勝ちが見えてくるデッキであれば、追加のナテラの大樹を補充できるこのカードは採用検討されそうです。
反面自然エルフのようなテンポとってナンボのデッキでは、大樹による手札補充で充分であることも多いでしょう。
ナテラの大樹によるドローだけで物足りないデッキでの採用が主となるので純心の歌い手ほど環境に溢れることはなさそうですが、ナテラの大樹の枚数が物をいうデッキでは重要なドローソースになりそうです。
2pickではスタッツに難があるものの、大樹シナジーを安定して発動させる助けとなるため悪くないでしょう。pickしすぎてサーチ先が無くならないように気をつける必要はあります。
スウィートディテクティブ
ローテーション評価…D
アンリミテッド評価…D
2pick評価…C
見ての通りです。
…これだけだとさすがに短いですが、1コスト1ドローが基本の自然シナジーがピックアップされた新弾パックにおいてシナジーの無い2コスト1ドローは劇的に弱いということです。
2pickにおいても2コストの生き物であることくらいしか利点はありません。最低限邪魔にならない程度のカードなのでC評価とします。探偵の調査をエンハンスでプレイするゲームはほぼ無いでしょう。