森羅咆哮事前評価:ヴァンパイア編
総評
ヴァンパイアはドローカードとドローシナジーのあるカードが数多く追加されました。
覆面の闘士・シャランゼアやスマッシュオーガといったそのターンカードを引いているとボーナスが付くカードは、実質的にナテラの大樹ともシナジーがあります。
0コストで次ターンにドローできる不穏なる闇の街が入れ替わりでローテ落ちするのが残念ですが、カードを引きながらテンポを取れるシステムは使い勝手がいいでしょう。
ただ全体的には今回のヴァンパイアの新カードは正直やや不作気味だったと思います。
使いやすいカードはあっても新規アーキタイプが組めるほどまとまったカードではなく、特にレジェンドカードがパッとしないのが辛いです。
ただヴァンパイアは前環境初期にナーフが入るまで暴れ回っていたうえ、ローテ落ちの影響が闇街とヴィーラ、麗しのサキュバス程度なので仕方がない面はあります。
新規のアーキタイプというよりは前環境までのデッキをアップデートすることで環境を戦っていくことになりそうです。
レジェンドレア
仁義の悪魔・ユヅキ
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…B
2pick評価…S
7/4/4と低めのスタッツですが、ファンファーレで相手フォロワーを2体まとめてぶった切ってくれます。ただし復讐状態でなければ反動で次ターンの動きに制限がかかります。
7コストフォロワー単体の性能として悪いわけではありませんが、同コストには似た性能のカードとしてカラミティブリンガーがいます。
そちらは破壊数が多いうえにランダム破壊なので潜伏フォロワーも破壊でき、攻撃力も格段に高いため相手へのプレッシャーも強いです。実際の運用を考えるとカラミティブリンガーよりユヅキの方が優れている状況は大して多くありません。
アクセラレートも自傷2点が現環境のヴァンパイアの守備の要である堕落の漆黒・アザゼルと相性が悪いのが辛いところです。
カラミティブリンガーがいなくなってからが勝負になりそうですが、そもそもリアクションカードなので環境の速度感についていけてない可能性はあります。
2pickでは1枚で盤面をひっくり返すことができるため非常に強力なレジェンドです。
胎動の魔神
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…C
2pick評価…S
リーダー回復と大樹条件の自動進化を持っており、進化時効果で毎ターン2枚ドローするようになって余剰の手札が打点になるリーダー付与効果を持ちます。
大樹があれば7/6/7突進3回復で、次ターン以降は2枚づつ引くことができます。
ただヴァンパイア自体が悪夢の始まりのおかげで手札切れを起こしにくい上に自然シナジーまで入るのでそこまでドローする必要があるかというと疑問です。
溢れるドローが打点に変わるのは偉いのですが、ターン終了時のハンデスがランダムというのは大問題です。
コントロールだとフィニッシャーをハンデスで燃やしかねず、ビートダウンだと7コストと重い上にダメージ効果を活かしにくいためどちらにも微妙に噛み合っていません。2枚目が強くなく、大樹がないと大幅にパワーが下がることもあって採用しづらいでしょう。
2pickでは毎ターンの追加ドローはさすがに強力です。大樹がないと進化権が切れた後に腐るため大樹カードをpickしておく必要はあります。
ゴールドレア
覆面の闘士・シャランゼア
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…A
2pick評価…A
5/4/5必殺と単純に強力なスタッツで、このターンに2枚目のドローが入っていれば疾走を持ちます。
体力5の必殺というだけでも5ターン目の選択肢として充分に強力です。
ドロー条件はナテラの大樹で1コストで誘発できるほか、悪夢の始まりでもレラジュでもなんでもいいためハードルが低く、多くのデッキで疾走フォロワーとして利用できます。
アンリミテッドであれば4ターン目に0コストで闇街を置くことで5ターン目に即座に疾走して6/7必殺が盤面に残ります。上から処理される危険がない分アルベールよりも強いです。
ドロー要素のあるデッキであればどんなアーキタイプでも使えるため汎用性の高い疾走フォロワーです。スタッツが高く腐りにくいため今後様々なデッキで採用されるでしょう。
2pickでもかなりの優等生です。進化で上から踏まれない中型フォロワーはとにかく強力で、疾走も簡単につけることができます。
ナイトレイドヴァンパイア
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…C
2pick評価…A
自然サーチの1コストアミュレットか、大樹条件で6/5/6+2点AoEかでプレイすることができます。
相手のターンに結晶が割れることはほとんどなさそうですが、なんでわざわざ効果を変えているんですかね?
自然サーチはこのカード自体もサーチ対象に含まれるうえに、引けるのが次のターン開始時なのであまり優秀なサーチとは言えませんが、次ターンにシャランゼアを追加コスト無しで疾走できる点は強いです。
本体は2点AoEだけで全処理できる状況は多くなさそうですが、スタッツが6/5/6と大きい点がシンプルに強力で、盤面有利を作りやすいです。
ただ役割としては破滅のサキュバスと被っており、2点と3点の差やリーダーにダメージが入るかの差が大きいので使いどころが難しいです。
自然シナジーの強いデッキなら前向きに検討できる程度のパワーはあるんですが、胎動の魔神をサーチできることを考えても既存のデッキに優位性のあるアーキタイプにならなさそうです。
2pickでは大樹がなくても一応盤面に触れるのが偉く、盤面をひっくり返すことができるカードなのでpickする価値は高いです。
シルバーレア
ヴァンパイアシーカー・ユナ
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…A
2pick評価…A
4/4/4スタッツで最大5枚ドローできる強力なファンファーレが付いています。
手札が少ないときにこのカードを使えば効果絶大です。4/4/4という妥協のないスタッツを持っているため隙を見せずにドローできます。
しかしこの効果を活かすためには手札をガンガン使っていくデッキを組みたいところですが、ローテーションのカードプールだと低コスト域の強力カード、特に相手のライフを削るカードが少なく、このカードを充分には活かせなさそうです。
ヴァンパイアには悪夢の始まりなどのドローカードがあるため手札が減りづらく、通常のデッキではこの効果は持て余しやすいでしょう。
どちらかというとアンリミテッドで可能性を感じるカードです。鮮血の花園などの優秀な低コストカードでライフを削っていけるため大量ドローから打点を引き入れることもできます。
しかし既に悪夢の始まりや加虐の独房などのドローカードも存在するため、採用はデッキの方向性との相談になるでしょう。
2pickでは4/4/4というスタッツが強く、ハンドにあれば手札切れにも強くなるため安心してプレイできます。
狂える人狼
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…C
2pick評価…A
3/3/2突進で、大樹があれば必殺を持ちます。大鎌の竜騎を思い出す性能です。
条件を満たせば3コスト確定除去になる3/3/2突進でシンプルに強いです。
ヴァンパイアの大樹シナジーを散々微妙だと書いてきましたが、このカードを使うためだけに歪みし蝙蝠とともにタッチするプランは考えられます。
結局コンシード寄りのデッキになりそうなので環境的に強いデッキになるかは怪しいですが、選択肢としては考慮できるでしょう
2pickでは3/3/2突進の時点でそこそこです。必殺でテンポを取れるならさらに嬉しいです。
インサニティ・マナ
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…C
2pick評価…C
ヴァンパイアのマナの追加効果は、3点ドレインです。
各クラスのマナの中ではトップクラスの追加効果を持っています。単純に3枚連打すればそれだけで0コストで9点ドレインできるというのは驚異的です。
ただヴァンパイアの自然シナジー自体があまり強くなく、大樹を複数枚出すことで効果を発揮するカードも特にないためマナ自体との相性は悪いクラスです。
自然シナジーのことは忘れてコントロール系のデッキでの終盤のリーサル手段として採用するのは悪くないかもしれません。
2pickでは盤面に直接触れる効果ではないため基本的には1コストキャントリップとして使うことになるでしょう。
ブロンズレア
レラジュ
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…B
2pick評価…B
2/1/2、ファンファーレで1ドローが付いています。
ここにきてめちゃくちゃシンプルなキャントリップフォロワーが追加されました。
シンプルゆえにどんなデッキでも入り得ますが、2/2/2に一方を取られるスタッツなのである程度成算を持って採用したいところです。
ヴァンパイアのドローカードの選択肢はほかにも豊富にありますが、一番シンプルかつ手軽にドローできるので構築で検討されることは多そうです。
2pickだとスタッツが弱いため2コスト枠として換算するのは危ないですが、充分pickしていけるカードでしょう。スマッシュオーガとシナジーするのが大きいです。
スマッシュオーガ
ローテーション評価…A
アンリミテッド評価…B
2pick評価…A
3/3/3で、ターン中にドローが入っていれば3点ダメージを飛ばすことができます。
標準スタッツを持ちながら軽い条件で相手フォロワーを除去できるため、盤面争いで非常に強力です。
6ターン目以降に悪夢の始まりから引けば即座に3点ダメージを飛ばせますし、ナテラの大樹とともに4ターン目に出すこともできます。
素直な性能でカードパワーも高く、特定の戦術に依存しないため多くのデッキで採用検討できそうです。
2pickではうまくドローカードと組み合わせればテンポとカードの両面で優位に立てます。特にレラジュとの相性が良いでしょう。
歪みし蝙蝠
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…C
2pick評価…A
2/2/2の大樹サイクルです。復讐時に3/2守護になります。
ヴァンパイアはあまり自然シナジーが強くはなさそうですが、2/2/2の本体があるので大樹生成カードの中ではタッチ構築に一番採用しやすいです。
復讐時効果もおまけとしてみれば疾走を止められるのでそこそこ役に立つでしょう。
同サイクルの中では使用頻度は少な目かもしれませんが、それでも使う構築は現れると思われます。
2pickでは例によって2/2/2+大樹という基本構造が強いので優先してpickできます。
悪魔の囁き
ローテーション評価…B
アンリミテッド評価…B
2pick評価…B
2コストスペルで、互いのランダムなフォロワーに5ダメージを与えて互いに1ドローします。
発生する効果は同じですが、自分の場にフォロワーがいなくても撃てるため一方的に相手フォロワーを倒すことが可能です。
2コストで5点除去という性能はなかなかなく、ランダム除去なので進化リオードも落とすことができます。
しかし相手盤面に複数枚並べられると、進化で頭数を減らしてから確実に除去する動きがしづらいため一気に使い勝手が悪くなってしまうのが辛いところでしょう。
潜伏フォロワーに対するメタカードとしてはかなり強力で、環境によっては刺さる可能性はありそうです。しかし平時の環境で採用するには腐るリスクが高いでしょう。
2pickだと大活躍することもありそうですが、複数pickはリスクが高いのであまりしたくないと考えています。